遺言します
思いがけずもはからずも、このたびは遺言(いごん)を作成することになりました。病気を患ったとか、家族構成に変化があるとか、大金を手に入れたとか(退職は近いけれど)、劇的な理由はありません。あえていえば、叔父と叔母のため、といったところでしょうか。
作成する遺言は、読み方を丸かっこ内に限定したことからもご想像がつくとおり、公正証書です。法的に有効な自筆遺言などはアタシのとぼしい知識と能力では、たとえ遺言キットが販売されているとはいえ、とうてい作成できませんし、それをなくさずにとっておくような秘密の金庫ももちあわせていません。15年前に開頭手術をするとき、「遺言をつくれ」といってきた友人がいましたけれど、そのころは子どもたちに「おかあさんを頼む」くらいの遺言(ゆいごん)しか思いうかばなかったことを記憶しています。
2021年に母が亡くなり、法定相続人は妹とアタシの二人きりで、相続をおこないました。司法書士と税理士の方を頼り、ぎりぎりその年の12月までに手続きが終了しました。遺言がなかったので、たった二人でも遺産分割協議は必要で、あーだこーだと意見をかわすこともなかったわけではありません。法律上の取り分(遺留分)は半分ずつになりますが、実際にはそうではない分割でしたから、争族とはならずとも、すれちがいくらいはよく発生しました。母の遺産を使って購入した現在の土地と家屋、それからアタシの預貯金について妻さんと二人の子どもがそうならないようにする、というのが今回の名目ではあります。わりとあたりまえの配慮といえるでしょう。
ここからが叔父の話です。
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