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ダウンロードができない人たち

今日の3限目の授業、「英米文化論」の最後に、講義でつかう資料がダウンロードできるかどうかを確認してみました。「できなかった」という挙手がチラホラあり、たずねてみると、「パスワードが正しくありません……」なるダイアローグがでて、「5回ぐらいやったけどだめだった。これまではできたのに」と、義憤をふくんだお答えでした。

オイラ、教員室にもどってすぐさまページにアクセスしてみた。パスワードを入れると、何の問題もなくページがひらきます。なんじゃ、こりゃ、ですよ、まったく。推察するに、おそらくはちがう講義の資料にアクセスしちゃったですね。

もうひとつのできない理由は、「弟がパソコンをつかっているので……」。ううう、うつくしき兄弟愛…… (/--)/
じゃ、おいらも、子どもにパソコンのある部屋をあけわたしましたので、自宅では授業の準備ができません、だからおもちかえりの仕事はダメです、とでもいっておきましょうか。なめとんのかぁ、の世界です、ほんとに。コンピュータ実習室がちゃんと学内と学部内にあって、稼働してるですから、問題外の理由です。

でも、ちゃんとしたダウンロード用のページをつくるのがめんどうで、BBSをつかって告知していたため、ふたつの講義が混在してしまい、混乱の原因になっていたかもしれないと思いなおして、新設しましたよ、ダウンロード用のページを。それと、つぎからは無線LAN 内蔵のノートか、無線LANのカードをもって授業にのぞみ、目の前でダウンロードして or ひらいてみせましょう。

それにつけても、「コンピュータ・リテラシー」の授業を全員が受講できる環境がありながら、これはいったいどーゆーこと。じつにくやしいことに、昨年度の後期に非常勤にでかけた近隣の私立大学でさえ、それほど学内のPC環境はかわらないのに、ノートPCをもちこんで授業のノートをとっている学生を複数、みかけました。一方、8年目をむかえたオイラの職場でのキャリアで、ついぞ一度もそういう学生をみたことはないです。これはなぜ、どうしてなの? 電子媒体化された資料の価値がわからないの? ノートPCは重いし、教室では電源も確保されてない。たしかにそうですけど、それならPDAがあるでしょう。すでに販売していないとはいえ、sigmarion なら3コマくらいの授業を軽くこなしてくれるはずです。ようするに、いまの環境どうにかしたい、いまの環境どうにかしたい、とのぞみさえすればできることを、サボっちゃってるのね。満足しちゃってるのね orz

オイラの師匠が『クリオ』第6号(1991/92年)に書いていらしたことを引用します。

> いまや問題は、コンピュータを使うかどうか(Y/N)ではなく、どう使うか(how)であろう。今日の知的生活は、コンピュータなしにやっていけないようになってしまった。(84頁)

ネットとメールだけが「どう使うか」のソリューションなら、滅んでしまえです。おなじ論考からふたたび引用すれば、

> コンピュータにたいする人の主体性にこだわり、これを知的トゥールとして従属・隷属させ、その能力を搾取しつくしたい、というものはまだ少数派である。(82頁)

少数派どころか、論考から15年もすぎようとしているのに、そうした態度とは対極的なメンタリティが蔓延しているかのようにさえ思えます。

悲観的なことを書いてしまいましたが、せめて、もうすこしはやめに手をうってくださいね。授業がおわってからでは、90分がムダにすぎてしまいますから。ダウンロード/閲覧ができないのでひらいてほしいと、授業のまえに部屋までたずねてきた方もちゃんといるですから。


【授業】「英米文化論」13:00〜14:30
【授業】「英米文化研究方法論(院)」16:20〜17:50
【PC実習室運用】1年生向けの利用説明会に同席。
【PC実習室運用】モニタの故障を学務スタッフへ報告(管理人の方から電話で要請あり)。

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