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すくわれた1票

昨日の衆議院議員選挙の結果がさまざまなメディアでつたえられています。1986年の中曽根内閣のときとおなじ感慨を、ぼくはいだきました。じつに軽やかな、うす焼きせんべいの選択です。

実際に小学校の投票所へゆく前、ある人とこんな話をしました。

「生まれてはじめて○○党に入れようと思っていた。でも、やめた」

と、いきなりその方はおっしゃいました。

「えー、そんなこと、まだぼくに言わないでくださいよ。まだ投票前ですから」(ふつう、いきなりいわれたら、戸惑いますよね。)

「いいの、きめたから」

と断言したあとに話してくれた理由は、郵政民営化の件でした。お子さんの小学校の総合学習で「郵政民営化」をめぐるディベートをすることになり、ごいっしょに新聞を切り抜いたり、ネットで検索なさったり、ニュース番組の録画をみたそうです。それでもお子さんは「ぜんぜんわからない」の連発で、ご自身もいまひとつ……。それでもなんとか意見をまとめなければならず、投票の1日前まで情報をもとめていらっしゃいました。そこで出会ったのがどこかのニュース番組での候補者の発言で、世界最高額の郵便貯金をアメリカがねらって民営化をもとめている、というものでした。その関連で検索してみると、なるほど、と納得するものがあったそうです。

総合学習はゆとり教育の目玉としてやり玉にあげられますが、大人にとっては、いっしょに考えてみるという利点があるかもしれません。すくなくともこの方の票は総合学習に「すくわれた」と思います。考える機会をあたえてもらって、「単純」を「決意の固さ」にみせるトリックを見破ることができたのですから。


【仕事】提出に同行。
【書類】科研費申請の説明会に出席。

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