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常駐の罠

学生・院生時代、研究室の主任教授をつとめておられたH先生は、基本的に週に2日、埼玉から新幹線でかよってこられました。電子メールやケータイなど事実上は存在しないにひとしいころでしたから、助手をしていらしたMさんやTさん(亡くなって8年がすぎた)、Sさんはご苦労をなさったことでしょう。じつは、H先生とほぼ同い年のTK先生もまた大阪から通っておられましたから、常駐していらしたのは助教授のKK先生だけでした。

当時はべつにこれが何か特別なありようだとは思っていませんでした。人文系の研究者は書斎がどこにあるかで仕事場がきまる、と信じていました/いますし、書斎でやる以外に大学の先生にたーくさんの校務のあることなど、知るよしもなかったからです。さいわいなことにオイラの指導教官は常駐していらしたKK先生で、研究会や学会、帰省などをのぞけば、ほとんど週7日、朝から建物がしまる午後9時まで研究室にいらっしゃいましたので、その気になればいつでもお話しすることができ、不便を感じることもありませんでした。廊下をはさんで3メートルほどの距離を歩けば、そこに生身のご本人が存在していたのです。院生なんてほかにすることがありませんから、ずーっと院生室にいましたが、それとほぼおなじ時間、いや、朝早い分、それ以上の時間をKK先生は大学ですごしていました。

いまの職場にも遠距離通勤をなさっている先生方は相当数います。遠距離といってもほとんどは東京からですので、新幹線で1時間30分、そこからローカル線と徒歩でプラス30分ほどでしょうか。電子メールもファクスもケータイもありますから、連絡をとるのに苦労はありません。じっさいに学生さんたちも、気づいていないだけかもしれませんけれど、とくに不平をこぼすことはないみたいです。

むしろ、いま愚痴をこぼしちゃうのは同僚たるオイラ。どれだけ便利であっても、電子メールや電話だけで人はうごいてくれません(HTMLメールなんぞできた日には、よけいにむかつきます)。説得して誤解なく何かをやってもらうためには、やはり face-to-face の対応が絶対的に必要になるときがあります。そして、KK先生とおなじイニシアルをもつ、忠良な指導生として常駐型教員をしていますと、こうした対面対応の機会が多くなり、見る見るうちに校務が増えてゆきます。どうも大学というところはいつも部屋にいると、便利屋あつかいをされてしまうところがあります。おまけに、それぞれいらっしゃったときに用事をつくっていってくださいますから、1週のあいだに月火・火水・木金といったぐあいにリレーされますと、結局、1週間がまるまるつぶれてしまう……。とってもアホらしいことです。

すいませんねぇ、まだ、お疲れ気味の状態がつづいています。ゆるゆると精進せねば (^_^;)

2月26日の業務
【仕事】日曜出勤。09:00〜16:30

2月27日の業務
【仕事】13:30〜15:00
【書類】研究費の支払い関係書類を作成。
【PC実習室運用】廃棄PC・モニタ・イスなどを搬出。
【教務】新規にお願いする非常勤講師の先生の履歴書等を世話人の先生へ提出。
【教務】同上。都合により、べつの先生に依頼することになった経緯をコーディネータと世話人の先生にうかがう。

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