キャリア概論にて
5限目の時間帯に開講されている「キャリア概論」に出席しました。まわりをみると、知った顔もチラホラ。外部講師の方による、「社会的企業 挑戦する人生――ホームレスの自立支援と若者の応援」という授業でした。はい、『日々是精進』を検索するまでもなく、おわかりですね(誰にむかっていっている?)。これは、『ビッグイシュー日本版』を発行している有限会社ビッグイシュー・ジャパンの方のお話です。大阪からきてくださったのは、編集長の水越洋子さんでした。
これはもうすごいことです。静岡では『ビッグイシュー日本版』は販売されていませんし、ほとんどの学生さんはこの雑誌の存在すら知りません。講義が実現したのは、「キャリア概論」を担当されているT先生の行動力のたまものであり――あたしはこういう交渉ごとの多いものを運営はできません――、社会的企業という困難なくわだてに心身を漲らせてむかっている方々がつみあげてきた、実績のおもさであると思います。営利企業が社会問題や環境問題に配慮する、のとはチトわけがちがうです。
ちなみに3年前、最初にあたしがこの雑誌、この企業を授業(「英米文化論」だったっけ)で話したのは、就職活動をはじめる学生さんに、なぜホームレスの方たちは仕事がないかを考えることで、ふだんはあたりまえのように思っている、住所があるということの意味を問いなおしてほしいと考えたからでした。社会的に信用を得るということのむずかしさや、あるいはスティグマをかぶせられた存在にむけられるまなざしの畸型性みたいなものも感じとってほしいと。【もっと些末な話、就職活動でケータイやフリーメールは信用されないんだよ、というのもあったかな (^_^;)】
今日のお話では、水越さんごじしんのビッグイシューとの出会いからはじまり、雑誌のしくみ、起業したときに克服しなければならなかった困難、支援のひろがり、そして財団設立に向けてのとりくみが語られました。愛知県岡崎市での事件に暗澹たる思いをかかえていたあたしは、授業に出たことでたくさんの元気をいただきましたが、受講している学生さんたちにもそうであってほしいと思います。
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