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あいまいな卒論

卒業研究の口述試験が来週の火曜日にあります。そのため、主査・副査のコンビを組む先生のゼミの卒業論文を査読していますが、自分のところの学生さんもふくめて、その出来にかんしては不満です。題材に貴賤はなく、何をやってもかまわないといえばそうですけど、サイテーなのは、自分のやっている題材にひっぱられているのか、それを分析的に論じなければならない論文内の用語や文体=地の文がきわめておろそかであることです。

ある事項についてたった二つの固有名詞をあげただけで、それに類するものが「相当」「かなり」「少なくない」と断定調で書いても、何にもならない。それは論理的でないし、読み手を説得する根拠を欠いています。また、唐突に「私たち」を連発されても、通常は読み手をもまきこんで「わたしたち」――ちなみに、オイラはひらがなをこよなく愛します。漢字の「私」は「立ち入り禁止」の意味がつよいので――となるところが、つまるところ、「私」の印象論にすぎなかったりするです。何から何まで論証して徹底的につきつめることなど不可能ですから、あいまいなところがあってもいっこうにかまいません。けれど、あいまいなところしかないのは評価に窮してしまうです。

二つの意見を比較してみる、その意見がどのような根拠で発せられているかを確認してみる、その意見を自分のことばになおしてみる、そうした必須の手続きをおこなっていないように思われます。そういう厳密、あるいは緻密な作業をとおりぬけていないと、自覚するかしないか、故意か無意識かは別にして、あいまいなことばをもちいてごまかしがちになり、自己相対化とは正反対の、ひとりよがりな論旨になってしまうみたいです。

他人のふり見てわがふりなおせ、という機会として受けとめられればよいですけどね。

【会議】中期・・年度計画推進委員会作業部会 9:00~9:40
【会議】同上。研究科長・学部長と、必要な修正事項の確認。
【授業】プレゼミ/初顔合わせの会 14:40~16:40
【授業】副査をつとめる卒業研究のチェック(追加分)。

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