ノートとコピー
すこし前のことですけど、授業評価アンケートの結果を、メンディングテープでとじた封書でいただきました。そんなにたいそうな秘密ではないと思いますけどね(苦笑)。5段階評価でいうと4がいちばん多かったでしょうか。学生さんもオイラもすっかり慣れっこです。
フリーワードのコメントもあまりなく、楽しいネタはないかと思われましたが、ツッコミを入れられそうなのがかろうじて一つだけ。「授業でつかうファイルをHPにのっけてください」と書きこんでくれていました。これって、十数年前につとめていたところの「マーケティング論」の先生が、「講義のノートを貸せ、コピーさせろっていうんだ」と、何かの委員会で同席していたオイラにひとしきり憤慨なさっていた事情とおなじです。授業中に見せたり、書いたり、しゃべったりすることをすべて憶えることが受講だとかんちがいしています。つまり、授業のノートは手に握った、万年筆なり、ボールペンなり、鉛筆なり、シャーペンなりをもちい、ただひたすらに手首と指と眼球と首と耳をうごかして作成するものだ、と。
それはちがうって、最初にもいっているじゃないですか。それは単純なコピーであり、手首と指と眼球と首と耳の運動であって、ノートじゃないし、理解することでもないです。
授業でやること、やったことの100%を理解できるなら、むしろ、最初から授業なんてでる必要はありません。不世出の天才として、そういう人の活躍する場は大学内でなく、世界にひらかれているでしょう。そうでない平凡なオイラたちは、わからないことを考え、わかることをつなぎあわせ、そうしてようやく講義をしてくれる人の考え、論、いいたいことをすこしずつ理解できます。さらに、それでも講義者のいったとおりに理解しているとはかぎらず、誤解や齟齬やかんちがいが生じてくるものです。わからないこと、知らないことじたいは、けっして恥ずかしいことではありません。たいせつなのは、それを質問してみたり、追究してみたり、自分でしらべてみたり、試験・レポートの答案に書いてみたりできるようになることです。そういうところにこそ、ほんとうに創造的な過程が生まれてくるでしょう。すかすかのノートだって、自分が理解して書けば、それでいいと思います。
あるいは、講義をする側にとって、コピーの弊害にはこういう点もあります。しゃべっているこちらの内幕をちょっとだけばらせば、オイラはいろいろとしらべてみて資料的に裏づけられるもの、もっとも論理がとおるもの等々を講義しているつもりです。でも、それはあくまで相対的なもので、まったくの真ではありえません(なにせ、真と善と美は往々にして異なりますので)。悪いけど、誤魔化しているところだってある。そこにツッコミを入れてほしいんですよ。あえて、スキをつくって待っていたりもします。「質問してよ」ってね。そこを素通りされると、あわてて自己訂正しなければならなくなっちゃうじゃないですか。ギャグがすべって、自分でボケとつっこみをやらなければならないときほど、なさけないと思うことはありません。ましてや、訂正を聞き逃して、あえてつくったスキだらけのテーゼを丸暗記された日にゃぁ……、目もあてられませんね。
というわけで、不完全なコピーづくりを推奨するために、来年度も、資料とレジュメしか登載しません。あしからず、ご了解ください <(_ _)>
3月24日の業務
【院教務】修了証書と記念品の配付準備について、学生室の方へ問いあわせ。
【院教務】同上。みずから受領してくださった研究科長と、修了式当日のことをうちあわせ。
【?】転出される先生の送別会に必要なものを、コース助教の先生と確認。
3月25日の業務
【院教務】卒業式・修了式の案内・誘導など 8:40~13:15
【院教務】修了生への学位記・記念品の授与式 14:00~14:20
【ゼミ】卒業生をかこんで昼食会 14:30~17:00
※昼食会というよりは、時間的にいうと、おやつの会です。
【?】謝恩会終了後に、研究科長と屋外でコーヒーを飲みながら雑談。
3月26日の業務
【ゼミ】休学中の学生さんの保護者さん(お父さん)と面会。
※「わたしより妻のDNAのほうが多いんじゃないか」とおっしゃられていましたが、いえいえどうして、話し方などはそっくりですよ。
【書類】休学願に署名・捺印 → 学生室の方へ提出。
【教務のお局】友人から依頼された新入生さんについて、学生室の方へ依頼。
【教務のお局】来年度の教務委員会について、一人の方に昨日にあらぬことをしゃべってしまいました。深く反省しております \(__ )
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