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大人ね

Yahoo トピックスに産経新聞の記事がありました。リンクは消えてしまうことがありますから、以下に全文を引用します。

18歳は大人? 「反対」8割 親の同意なく高額商品購入

9月14日8時0分配信 産経新聞

 内閣府は13日、民法が20歳と定めている成人年齢の18歳への引き下げなどに関する世論調査の結果を発表した。それによると、親の同意なしに高額商品を購入できる年齢を18歳に引き下げることについて、8割近くが反対していることが明らかになった。

 憲法改正手続きを定めた国民投票法が投票年齢を18歳からと定めているが、18歳を成人と見ることに否定的な考えが多いことが浮き彫りになった。今回の調査結果は、成人年齢の引き下げをめぐり法改正を検討している法制審議会(法相の諮問機関)への議論にも影響を与えそうだ。

 調査は7月、全国の18歳以上の男女5000人を対象に実施され、3060人が回答した。

 それによると、親などの同意を得なくても高額商品を購入できる年齢を18歳とすることに「賛成」「どちらかといえば賛成」が19・0%、「反対」「どちらかといえば反対」は78・8%だった。親が住む場所を決めたり財産を管理したりする親権に服する年齢を18歳に引き下げることは、賛成が26・7%、反対が69・4%だった。

 ただ、1人で契約できる年齢の引き下げに関しては、全体の4割以上が教育の充実や消費者保護の強化を条件に容認する考えを示した。法務省は「成年年齢を引き下げるための条件整備も法制審の審議対象。今回の調査結果も踏まえて審議することになる」としている。

 一方、子供が大人になる条件(複数回答可)については、「自分がしたことに責任をとれること」が最も多く74・4%。「肉体的な成熟」は7番目の22・6%にとどまった。

 一方、「現在の18~19歳にあてはまること」(複数回答可)については「肉体的な成熟」が最多で52・7%。「自分がしたことに責任をとれること」は17・0%にとどまり、18~19歳はまだ、「大人」とは認識されていない現実が浮かび上がった。

【用語解説】成人年齢引き下げ問題

 18歳以上に投票権がある憲法改正のための国民投票法は、平成22年の施行までに民法の成人年齢、公選法の投票権も見直すことを明記している。今年2月、当時の鳩山邦夫法相は民法の成人を20歳から18歳に下げる是非の検討を法制審議会に諮問した。成人年齢が下がれば、20歳未満に禁じている飲酒や喫煙などさまざまな年齢基準の見直しが論議になる可能性がある。

オイラはおもに18歳から22歳の人びとを相手にする職業についていますけど、ぶっちゃけ、18歳と20歳のあいだにある差異は大きくないように見えます。いまの民法が成人年齢を20歳としているから、はた目からは「『大人』とは認識されていない現実」があるだけではないでしょうか。二輪車の免許は16歳から、自動車免許は18歳から取得可能ですし、そうした人たちがかりに事故をおこしたとすれば、免責などされません。また、「両性の合意のみに基いて成立」すると憲法第24条にさだめられた婚姻は、民法第731条に、男は18歳以上、女は16歳以上であれば、婚姻が可能とされています。「自分がしたことに責任をとれ」ないのなら、婚姻もみとめるべきではないでしょうね。「経済的に親に依存している」という意見もまた、20歳になったら依存しなくなるかといえば、まったくそうではありません。大学院のD2で結婚するまで、恥ずかしながらオイラは親のすねをかじってました。バイトと奨学金と仕送りの“黄金分割”とかいったりして。

「成人年齢引き下げ」とは、この年齢からは成人として、権利と義務とをみとめましょうという合意を、法的に形成することではないのでしょうか。95パーセント前後の人にとっては、高校を卒業したらもう、「おとなじゃ~ん」(死語 \(^^:;)...)というあつかいをする、だから、しっかりそれまでに権利と義務とを理解させる教育をする。合意をささえる土台が条件整備が必要であるとすれば、これだけの話のようにも思えます。

18歳で大人とみなす、それでいいってことにしませんか。

9月13日の業務
【授業】3512教員室の掃除。
【国際交流】夏期語学研修の参加記の第2校を校正。

ちなみに、大人になりたくない教師がいたりしますと、成人年齢が18歳・20歳のいずれであろうと、あるいは被選挙権が付与される25歳であろうと、而立の年齢の30歳であろうと無関係に、「成人」のための教育はできないでしょう。学問的な若々しさとはまったくちがい、40歳をすぎて“若手”という自称・他称をのぞむ人や「年齢が下(から○番目)だから」という言辞には、どこか責任逃れの臭いがプンプン。高野悦子のように「未熟であること」と記すことは自覚すべき大切なことでしょうが、未熟を自覚することと未熟を口実にすることとは決定的にちがいます。

高野は“若手”さんや“年齢が下”さんよりもはるかに大人だ。

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