不良債権化を阻止すべく
「近代ヨーロッパの探究」というシリーズがあります。これまで、「移民」「家族」「教会」「エリート教育」「スポーツ」「国際商業」「民族」「ジェンダー」の巻が出版されてきました。でもって、続刊のなかには「警察」というのがあり、そこに書かせてもらう約束が、昨年の初夏のころにはできていたです。しかし、これが妙な話で、秋口からなんやかんやで連絡がとどこおるようになり、こちとらもあーだこーだで優先順位を変更しなければならない事情がうまれ、すっかり「警察」なんて忘却のかなたに追いやったまま、今年の8月下旬の資料調査にいくことになりました。優先順位が上にあれば、LMA でもうすこし粘った調査をしたでしょうが、そんなこんなで、構想していたものとは別の、さらに50年くらい前のことに夢中になってしまいましたから、完全に「ケーサツ、あーっ、なんの話でしたっけ」という向こう岸へとわたってしまった状態でした。
ところが、本日、ほとんど不意打ち、抜き打ち、勃然としてコーディネータの方からのメールがとどき、あたふた、周章狼狽、あわてふためきながら、お返事をしたしだいです。さらには、出版社の方からも丁寧なメールが着信して、かえって居場所のない思いもしてします。9月上旬に配信されたというメールが、なぜかオイラのところにはとどかなかったらしく、締切をどのあたりに設定するかとか、執筆者会議をいつどこでやるかとか、重要な話題に乗りおくれていたみたいで、申し訳ありません。いやはや、メールという連絡手段は、さすがに20年以上も根本技術に変更がなされていないだけに、頼りになると考えてよいのか、いろいろなバックアップを算段してなければならないのか、便利なのか、不便なのか、よくわかりませんね。
そもそも、「警察」というお題は微妙でした。警察=crime fighters とすれば、そういう名前をもった組織が18世紀の前半には存在しないです。それゆえ、「警察」 → 「近世の治安維持のシステム」という置換をして、窃盗捕縛業者や議会の報奨金制度(犯人逮捕の懸賞金みたいなもの)、治安官・治安判事に言及するという構想をもっていましたが、この骨組みは『江戸とロンドン』でやっちゃってるですよね。報奨金制度をもうすこし実証的なところで追いかけてはじめてはいたものの、あーだこーだのころに一時停止してそのままです。これをもう一度うごかすには、かなりの荒療治が必要になるかもしれません。いわば、かたまってしまった五十肩みたいです。それでも不良債権にはしたくないので――つい最近、不渡り手形をだしてしまったこともあり――、あーだこーだの時点にまでもどってやり直したいと思います。
Never too late to start/restart かな。
【授業】「英米文化研究方法論」のレポートに朱入れ → 提出者に返却。
【書類】奨学金の推薦書の一部を修正 → 申請者に手渡し。
【会議】研究センターの運営会議(仮) 18:00~19:30
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