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入院記(印象にのこっていること):ICUの一夜・追補

自分の身体が自分のいうことをきかない状態、というのを経験したのがICUの一夜でした。それがもっとも如実にあらわれたのは、緊急CT撮影でCT室へいってもどってくるまで、まったくこらえることができないくらいにつばを吐きたかったのと――じっさいにCT撮影中にも「ぺっ」と何回もしていた記憶があります――寒くて寒くて歯の根が合わない状態がつづいたことです。

My teeth chattered from cold.

手術をうけたのは7月のおわりですし、室内にどれだけ空調が効いていたとしても、歯の根があわないなど想像もつかない温度、時節です。それが、まるで零下の場所へ裸で放りだされたかのように、ずっとガチガチと音をたてている状態がおさまらなかったです。自分の身体が震えている理由がまったくわからなかったので、点滴針のささっていない右手を口元にあてて、ベッド脇の看護師さんに

これこれ、歯がガチガチいっているのはなぜ。

とたずねたところ、全身麻酔から身体がうごきを開始したばかりのところで、体温調整ができていない、という答えがかえってきました。つづいて、「寒いですか」ときかれましたので、「寒いと感じないけれどガチガチ鳴っているのは恐い」といったところ、身体をあたためるシートをかぶせてもらえることになり、しばらくのあいだ、真夏のさなかに暖房シートのお世話になったのです。このシートがいつにはずされたのか、記憶はまったくありません。身体が覚醒すれば必要なくなるものですから、看護師さんが体温をみてはずしてくださったのか、あるいは、自分でいらないと告げたかもしれません。

でも、とにかく歯の根があわない状態は恐怖でした。恐怖で歯の根があわない(My teech chattered with horror)ではなく、その状態そのものが自分の身体の不随意を示しているがゆえの恐怖でした。恐怖のあまり、「なんじゃ、こりゃぁ」と力んでしまう感覚ですね。

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