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入院記(印象にのこっていること):病棟の個室

今日までの特別休暇中には、PC画面をじっと見つめたり、コンテンツをいじったりすることをできるだけ避けてきました。いろいろと忘れて解放されている時間を大事にしよう、と助言されたからです。このウェブログの更新が断続的になっているのは、そういう事情も手伝って、ただたんにPCにむかう気分になれないからですし、文章を書く気になれないからです。心配しないでくださいね(ってゆーか、まさか心配してませんよね\(^^:;)...マアマア)。

さて、ICUをでてCT検査をうけたあと、病棟へもどってからは、ふだんの生活の基本をゆっくりととりもどすことがテーマでした。

●食べる
 ICUの朝食は食欲がまったくわかなかったため、口にしなかったことはすでに書きました。病棟の個室へ入って配膳された昼食はメインがそうめんで、これならいけるかなと思って食べはじめたですが、半分で挫折しました。夕食も全粥食でしたけれど、これも半分で挫折 orz

 たしかに、ICUをでるころから、胃腸の機能はうごきはじめていました。おなかがごろごろと鳴ったり、おならもでていたのがその証拠です。ところが、口の開閉=あごの上げ下げをつかさどる筋肉の一部を手術のためにきられていましたので、口を開けるのが痛みをともなう重労働になり、食欲がさまたげられたようです。この状態は軽減されてきてはいるものの、現在も解消にいたっていません。さらに、何もせずにひたすら横になり、できるだけ眠っている段階でしたから、食べなくてもいいや、という気分になっていたのでしょう。

 それでも、術後2日目の朝食がパン食だったこともあってここで初の完食を達成し、それからは調子に乗って、その日の昼食で全粥食を、翌日の昼食からは常食をすべてのこさずに食べられるようになりました。口を開閉するとあごは依然として痛いままでしたから、バナナやスイカのような果物を食べるのは、ちょっとした決意が必要でしたけれど……。

●自力で立って、歩行する
 ベッド脇に自力で立ってみたのは個室の初日、昼食のあとです。尿をとる管もついていますし、点滴もつづいていたですけど、立てることはわかりました。ただし、そばに誰かにいてもらい、かつ点滴の台を杖がわりにするという条件つきです。その状態で5,6歩、足をうごかしてみたのが、そろそろあたりが暗くなりはじめたころ。窓のところまでいって外を眺めました。

 尿の管をぬいてもらい、室内歩行の許可を得たのが個室の2日目、病棟内歩行の許可は3日目です。看護師さんからは、「1日寝ているだけでも筋力はずいぶんと落ちちゃいますからね」といわれて、また、基本的に食っちゃ寝の状態はオイラとしても好きではなかったので、退院までずいぶんと歩いていました。室内歩行はベッドの落下防止用の柵につかまり、トイレのノブにつかまり、椅子や壁に手をついて、ゆっくりと慎重にうごいていたようです。病棟内の散歩もまた、最初のうちは手すりをすぐつかめるように、自分のリーチを計算していました。病室の出入り口のドアを横切るときなどは、人や機械がでてくるのではないか、とドキドキものでしたね。

歩けばおなかのうごきもよくなりますし、気分転換にもなります。微々たるものとはいえ、自分が復活しつつある実感も味わえます。看護師さんたちは、「栗田さん、今日も散歩ですか」と声をかけてくださって、はげましてくれました。もちろん、ふだんの生活なら歩くところには大きな起伏も小さなデコボコもありますし、風も陽の光も排気ガスもあります。それに対応する自信はまだなかったです。

●メール
 ケータイを開いてみたのは術後2日目、メールをうったのは3日目です。オイラのケータイには Gmail からPCメールが転送されてきますから、50通以上が着信していました。ただし、じっとケータイ画面を見つめるのがおっくうになっていましたから、受信したのはザッと表題だけを確認し、こちらからの送信も1日に1,2件にとどめていたです。送信した表題は、「生きのびられました」とか「生きています」とか、元気があるのかないのか、よくわからないものが多かったみたい。それでも、メールをおくりながら、そして、返信を受信しながら、はげましてくださった/はげましてくださる方々に感謝し、涙していたのですよ (T-T)

◆ ◆ ◆
病棟での最大の試練は、5月の検査入院のさいにも経験した、カテーテルを足のつけ根の動脈からいれての脳血管撮影です。手術の結果を確認するとともに、もう片方の動脈瘤の詳細を把握する検査でもありました。これで異常がなければ退院となるものですから、避けてとおることはできません。

検査じたいも、血栓ができやすいことや造影剤の副作用があること、あるいは前回のオイラは尿の管が入らなくてかなり痛い思いをしたことなど、かなりのおおごとです。さらに、検査後も、動脈に穴を開けるわけですから止血に細心の注意がはらわれます。担当医の先生による止血が15分、それから固定のためにテープが巻かれ、重しがのせられて病室にもどり1時間、さらに重しがとれても2時間はカテーテルをいれた側の足はうごかせません。止血がうまくいったことが確認されて、絆創膏を貼ってもらい、うごいてよいという許可をもらうまでは、点滴をうけながらじっと寝ているのみです。

オイラの検査は14時からはじまって30分ほどで終了し、止血 → テープと重し → 病室は15時くらいでした。したがって、最終的なチェックは18時すぎとでした。OKをいただいたあと、左側に寝返りをうとうとしましたけれど、腰と背中が痛んで1分ほどはうごけず、傍からみている人がいれば回転えび固めのような状態になっていたようです。


担当医の先生や看護師さんたちをはじめ、いろいろな方にいろいろなときにいろいろな方法で励まされて、生活の基本をとりもどしてゆくのがうれしい日々でした。毎日、欠かさずにおとずれてくれた尚さんには、多謝・深謝です。

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