いちごの季節
幼いころから果物はとても好きです。果物食べ放題などといわれれば、ぺんぺん草の一本ものこらないくらいに食べ尽くす勢いでした。まぁ、先だつものと相談しなければなりませんし、子どもがそれほどおこづかいをもっているわけでも、駄菓子屋に新鮮な果物があるわけでもありませんから、おのずと今の時分に口にした果物といえば、まずはミカンであったことはいうまでもないでしょう。父や母が農協の共撰場ではたらいておりましたから(「摘果」ということばがわかりますか)、冬のミカンも夏ミカンもよくもらえました。古畑任三郎が「殺人特急」で中川淳一(鹿賀丈史さん)にむかっていったように、指先にはミカンの匂いぷんぷんでしたし、何となくオレンジ、ないしは黄に色づいててもいたようです。
大人になると、冬に食べるもの、というより食べたいものの、そして、ちょっと贅沢をすれば口にできるようになったのがいちごです。いちごを最初に大量に食べた記憶は、小学生のとき、4月をすぎてからつれていってもらったいちご狩りでした。小さなアイスクリームのカップのような容器にコンデンスミルクが甘みをつけるためにつけてもらえた(いまでも、たぶん)ですが、最初はまったく甘味なしで、やがて変化がほしくてミルクをつけ、そしてミルクをつかいつくすと、ただひたすらにまたいちごだけを食べつづけたようにおぼえています。ちなみに、何もつけないでもいちごを甘く味わうコツは、へたの部分をとりのぞいて、そこからいちごの先=とがっているほうへ食べすすむことです。へたまわり → 中央 → 先端と三度ほどに分けて食べると、だんだん自然の糖度が増してゆくのを舌が感じてくれるでしょう。
職場では、2年生が所属演習の希望を出し、3・4年生のあいだによってたかって勉強をする(はずの)ゼミを決定するのも、ちょうどこの季節です。アタシの個人的な食の趣味をも知ってもらおうと、2・3年生のご対面の会を「いちご大福の会」と称して開催しています。ここでもよく紹介する白木屋さんの和菓子をいただくのは、じつはふだんのゼミでもよくあるですが、まず何よりも最初に惚れてしまったものを味わってほしいのです。白黒の「なんじゃもんじゃ」もよいですが、それをもって息子2号が白木屋さんの存在をおしえてくれた「いちご大福」こそ、顔合わせにはふさわしいと思います。
最初にいちごと餡をいっしょにした人は、とてつもなくするどい味覚のもち主か、はたまたゲテモノにも屈しない発明の才をもった方であったにちがいありません Σ( ̄ロ ̄lll)
1月16日の業務
【授業】3512室の床面をクイックルワイパーで乾湿両方の掃除。
【ゼミ】2年生のゼミ希望者からのメールに返信。
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