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とりあえずいえばいい……かな

オイラの職場でみかけるキャッチの一つが「学生参加型FD」らしいですが、報告だけを聞いていると、学生室の方々が「意見交換会」なるものをやっているのとあまり変わらないようです。FDというのは教員がおもにかかわるものであるとすれば、教育(とまではいかなくとも学習)をうながすもの、それにもとづくものであるべき、と考えるのはオイラだけかいな。

たとえば、学生さんからでてきた意見にたいして、可及的すみやかに、それを実現させようと教員側の機構をうごかすのは悪くありません。ただし、もう一つの反応として、学生さんの側にもその意見を根拠づけさせるとか、あるいは、何かを実現させるのに自分たちはどのようなことが可能なのか、さらには、その意見はどれくらいの支持や費用対効果をのぞめるのかを調査させる、といったことがなければ、教員のむだな仕事を増やすだけです。

たとえば、○○のような施設があればよいと考えるなら、その施設をいまどのような代替でつかっているか、その割合・人数はどれくらいか、利用頻度はどうか、実現させるのにどのような貢献ができるか、などを調べ、考え、自分の根拠にしないかぎり、施設ができてももとめた側はまったく成長しませんし、ただの利益誘導、パイの奪い合いを学習するにすぎません。昨日の報告にあったものでいえば、無線LANの設備が必要であると思うのなら、いま、その代替として携帯電話キャリアのネットワークカードをつかっているのはどれくらいいるのか、じっさいに無線LANを利用して何をするか、機器・設備の管理運用、利用の形態についてどういうルールが必要なのか、大学のネットワークでなく、公衆無線LANのような設備ではどうか、などなど、自分たちで調査できること、調査しなければならないことはいくらでもあります。そうしたことをやらないで要求がとおると思ったら大きなまちがいだ!と、学部長交渉や三者協、団交や労使懇でさんざん言われて学習させられたのは、アタシだけかなぁ。

ただでさえ、ゆとり世代真っ只中にあるオイラの息子たちなどは、何かを苦労しても何も得られないようなときもある、という経験を欠きます。どれだけ正しいことを主張したとしても、そのときの情勢次第で実現できない、といった政治的な経験や、自分のやりたいことは石にしがみついてでも自分でやりとおしてみせる、ようなスポ根ものも知りません。余命の長さを担保にして、持続成長型あるいは社会進化論的な未来を描いてみせるだけでは、異なる者たちにたいして説得力はもてないでしょう。たった一つの、くだらない、ちんけな要求をとおすために、時間と労力がどれだけかかるかを経験させない教育の場とは、すくなくともアタシにはどういう場所なのか、納得のいかないです。

ましてや、とりあえずいえばいい、などと思わせてしまうとすれば、無責任を助長するだけでなく、教育を放棄してクレーマを育てるだけです。それは学部の Development でなく、degeneration ですよ。

【WERC】業者さんと物品の数量と書類について最終的な確認。
【紀要編集】2010年度委員の先生にひきつぎ書類(同意書/不同意書など)を説明 → お渡しする。
【紀要編集】2009年度に作成した書類ファイルの一部を、簡単な説明をつけて2010年度委員の先生に送付。
【学生】休学中の指導学生について、学生室にて確認 → 予定どおりに復学するとのこと。

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