10か月と2か月
昨年の7月29日に1回目の手術をうけました。生まれてはじめて身体にメスが入った経験でした。それから10か月がすぎ、定期的な診察は4か月おきになっています。きっと安心してよいのでしょう。保険を請求する書類でも「根治」と書いてもらえるほどです。はやい話、ヴァンテージが貼ってあったり、ホチキスでとじられた抜糸前の状態や、血の固まったかさぶたがくっついている状態など、まったく想像できません。メス跡はわかるですけどねぇ。
先々月の3月30日に2回目の手術をうけました。こちらはメスを入れない術式で、かわりにカテーテルが足の付け根の動脈から入るものでした。手術の前から薬を服用する必要があり、その薬の副作用がでたこともあり、1回目よりも少し弱気になっていたように思います。だって、1分間に100回にまで脈拍数があがったら眠れないし、クラクラしてしまいますよね。ほかにもアクシデントはいくつかありまして、なかでも自分で笑えたのは、術中に「暴れた」とのことで、本来は局所麻酔で最後まで半覚醒くらいの意識はあるらしいところが、すっかり寝かしつけられてしまい、目を覚ましたのは夜中の0時をすぎていました。おかげさまで、手術がどのようになったのかを知らされることなく、その後の1日ほどをすごし、結果はまず尚さんから聞かされたのでした。
2回目の手術については4月、5月と検査がありました。つぎは7月、そのつぎは8月になるでしょう。6月には1回目のほうの診察があります。検査をしてもらうことじたいは苦痛ではありませんし、むしろ、悪いところがあれば見つけてくれるでしょうから、精神的な安心感をうむものです。ただし、はっきりいって、毎月の検査をうけているかぎりは直っていない、そういうことを認識させられます。こころが晴れない……までじゃないですけどねぇ。
メスで切ったあたりの頭部をさわってみると、何となくモゾモソするというか、切ってないところとはさわられた感じがちがいます。でこぼこしてもいます。これから梅雨の季節ですが、寒さもだけど湿気もつらいから用心したほうがいいよ、といってくれた友人のことばを痛感することもあるでしょう。カテーテルを入れたあたりの内出血のようなものはおさまって、黒っぽい皮膚の変色や階段をのぼるときの痛みはなくなりましたから楽になりました。ただ、両方とも手術した場所が場所だけに、自分でたしかめられないのがもどかしい。
病気がわかったころからはじまった中途覚醒はまだつづいています。だいたい23時くらいに眠りますが、3時、4時くらいに一度は目覚めるのが日課のようになってしまいました。眠りが浅いでしょうか。二度寝できるときも、半覚醒のままのときもあります。後者のほうが多いかな。それでも、たくさん散歩をしたり、すこしでも自転車に乗ったり、前日に眠れなかったり(苦笑)したときは、ちゃんと眠れるようにもなりました。
1回目の手術の先生からは「病気であることを認識しなさい」といわれ、2回目の手術の先生からは「もう病気じゃないんだからね」といわれ、その二つでまだゆれうごいているような感じがします。
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