原風景の跡形
10日ほど前、JR清水駅の前をとおりました。アタシがよく利用していたころの駅舎から一新されたのは知っていましたが、そのまわりも同様でした。もう少し右側まで視界があれば、すこしはなつかしい店舗を確認できるのかもしれませんが、目的地はこの交差点から右折しなければならないので、これ以上は無理です。
左手前方にはバスセンターがありました。祖母に連れられて、こちら側の道路に面したほそい歩行者用の通路を歩き、1番だったか、3番だったか、バス乗り場にならんだものです。「梅ヶ谷」という行き先を、なぜか「うめがやっけ」と読むので、祖母が「あれは『け』とは読まない。カタカナじゃない」とくり返していました。たぶん、地名の漢字はわからず、しかし、地名の読み方だけは知っていて、読める字=カタカナだけをつけくわえた結果のまちがいです。祖母には、そういうことを何かと尋ねたがる孫はどのようにうつっていたのでしょうか。アタシにしてみれば、50歳代半ばという年齢で亡くなった祖母の思い出は、すなわち、学びの第一歩です。歌や踊りが好きな人でしたから、「黒田節」なんてのも、おそわりました ヽ(。_゜)ノヘッ?
変わらないものはないので、いつまでも原風景のまま、30年、40年も前のままでいられるはずはありません。ただ、知らないうちに大きく変わったときも、以前の状態を思い出せる人でありたいと感じた一瞬でした。
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