イギリス史研究会第21回例会
ご案内をいただきましたので、転載します。
イギリス史研究会第21回例会のご案内
イギリス史研究会第21回目の例会を下記の要領で開催いたします。ご多忙中とは存じますが、何卒ご出席賜りますようお願いいたします。今回は、近代イギリス史、歴史学の歴史を研究されている近藤和彦氏にご報告をお願いしています。また、コメンテーターは大石和欣氏にお願いいたしました。なお、第22回目の例会開催は、2011年3月(報告者:吉田正広氏)を予定しています。そちらの方も奮ってご参加下さい。2011年3月例会の詳細については、2011月2月にご案内させていただきます。
記
日時 12月18日(土)午後3時 ~ 午後6時 (前回とは開始時間が違います。)
場所 青山学院大学 ガウチャーホール 3階 「15306」教室 (正面入り口から3階直通エスカレータあり)
キャンパス内地図
http://www.aoyama.ac.jp/other/map/aoyama.html
キャンパスへのアクセス
http://www.aoyama.ac.jp/other/access/aoyama.html
報告者とテーマ
近藤和彦氏(東京大学)
モラル・エコノミー論を歴史的に再考する -E・P・トムスン再審-
コメンテーター
大石和欣氏(名古屋大学)
参考文献:
近藤和彦『民のモラル』(山川出版社、1993)とくに巻末15-16ページ
および http://www.cengage.jp/ecco/2007/05/post-1.html
世話役 平田雅博(青山学院大学)・坂下史(東京女子大学)
連絡先: 東京女子大学 現代教養学部
以下、近藤和彦氏によるご報告の内容紹介です。ご参照下さい。
モラル・エコノミー論を歴史的に再考する -E・P・トムスン再審-
イギリス労働党のミリバンド兄弟はともに現今の casino capitalism に対するアンチテーゼとして moral economy
という語を政治的に使ってきました。それ以外にも、英語圏の出版界では広く、ほとんど何でもありの使われ方がされています。
じつは moralも economyも、古代・中世以来の多義的な語です。E. P. Thompson(1963, 1971) および J.
C. Scott (1976) の問題意識と用法は、1970年代以降の社会文化史研究にとって与件です。しかし、18世紀に議論を絞りこむトムスンにとって、Hont & Ignatieff (1983) による批判は致命的でした。さらに恣意的な限定も認められます。
18世紀啓蒙の世界~19世紀改革の時代のなかで、moral economy はどういった概念だったのか。こうした分析は、今日の EEBO、ECCO、MoMW といったディジタル・アーカイヴの活用によって可能になってきました。どのような言説の世界が開けるのか。それを紹介し、議論してみたいと思います。なお、MoMW を使用する前、2007年にわたしは下のように危うい仮説を唱えていました。これを修正します。
→ http://www.cengage.jp/ecco/2007/05/post-1.html
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