いただきもの(歴史と和解)
寄稿者のお一人である同僚からいただきました。
すこし前の朝日新聞の書評欄に「和解史」なることばがつかわれていて、意味不明でした。何でも「史」をつければ便利な呼称になるかといえば、そうではないと思います。以前の「社会史」もそうでしたけれど、まじめに研究している、あるいは思考停止して流れに棹さしているつもりのない当人たちにとって、安易な名前づけは憤りのもとでしかありません。
この共同作品では最初に編者が「和解」について記していらっしゃいます。それでもなお、用語としてこなれていない印象はぬぐいされません。むしろ、情緒的かなとさえ。概念としての使い方をアタシのような素人にも考えさせつづけるというのが目的であれば、それはそれでよいかもしれませんがね。
黒沢文貴、イアン・ニッシュ(編)『歴史と和解』(東京大学出版会、2011年)。
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