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いただきもの(海だよね)

編者のおひと方から日本西洋史学会(富山大学)の終了後にいただきました。学会でも販売されていたことでしょう。

地域としては、北海・バルト海域、北方ヨーロッパの陸域、アイスランドをふくむ北大西洋域、あるいはビザンツ帝国など、登場する人に目をむければ、ヴァイキングやハンザ商人、羊毛布の生産者としての女、グスタフ・アードルフなど、時代はおもに中世盛期から近世までが、本書にふくまれています。これだけで、いまの季節、立ちくらみがしそうな大きさと多様ぶりです(大暑の時期までぼやぼやしていたアタシが悪い)。中世はちょっと手が出ないにしても、近世のオランダやスウェーデンについては、ちっぽけな範囲の、ちっぽけなできごとを、あーだこーだととりあげたがる傾向の強い者にも刺激的な内容ではないかと思います。

あとがきにも書かれていますが、入門書的に読めるように、注はなく、各章末に重要な参考文献のみがあげられるスタイルです。それでも、図版やグラフ、表の出典の表記をみれば、いつでも専門的な註をつけられたことがわかります。誰に向けて書くか、を意識して、あえて……、という編集方針でした。

ご恵送いただき、ありがとうございました。

20150804

斯波照雄・玉木俊明(編)『北海・バルト海の商業世界』(悠書館、2015年)。

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