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老い、をい(笑)

ソメイヨシノの花吹雪を眺めていたら、ふと「老いたな」と感じてしまいました。美しいとつぶやいたのはもちろんですが、うるっと (T_T)

思えば、20歳代、30歳代のころには桜を美しいとさえ評したことはありません。むしろ、自動車を運転する身では花びらがくっついて洗車がめんどうになる、じゃまくさい、と邪険にしていました。花見の気分にすらならなかった。いつ咲くか、いつ何が咲いたか、いつ散っているかのニュースは右から左へ、左から右へ聞き流すだけでした。

40歳をすぎて、あ、桜はきれいだな、と思えるようになりました。さらに、40歳のなかばをすぎて、病気を得て、40歳のおわりに2回の手術を経験して、いまの桜はいとおしい。3月に川津桜や大島桜がひらきはじめ、紅豊、一葉、御衣黄、鬱金とつづいてゆくのも知りました。いっしょに、梅や木蓮や辛夷、馬酔木や灯台躑躅も咲きます。常緑樹の楠は古い葉をおとしてあたらしい葉を身につけ、合歓木や檜が緑の葉の芽をつけるのが4月のいまごろでしょう。どれもこれも見ていて笑い、泣ける。また1年を生きのびた、という感慨を大晦日 → 元旦よりも強くします。2度目の手術の退院が桜の開花直後であったからかもしれません。

70パーセント以上の縮小印刷をした文字を読む気がなくなったり、朝は6時台に目がさめたり、肩凝りや首凝りが気になったり、なんか血管が浮きでたり(これはヤバイかな)、そういう身体的なことから確認する老いもあります。頭のまわりもかなり遅くなった。読書もすすまない。

ただまぁ、全面的にマイナスでしょうが、そこはそれ、かつて『時効警察』でオダギリジョーさんが演じていた霧山くんのセリフを励みにします。大要は、老いることは経験値があがることである、というもの。

そうそう、若いころには「木」「葉っぱ」「花」でしかなかったのが、50歳をこえてから名前をいえるようになったからね。ゆったりと老いていくことができればありがたいです(ヲイ、そこかよ

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