« 出張講義2017 | Main | 人物本位の ヽ(。_゜)ノヘッ? »

二人の技術者

おなじ大学院の学兄よりいただきました。ごじしんの世界史リブレットとしては2冊目になります。うらやましい。

主題となっているのは、蒸気機関の改良をしたことで有名なジェイムズ・ウォト(山川出版社流では「ジェームズ・ワット」)と蒸気機関車ロケット号で知られるジョージ・スティーヴンスン(おなじく「ジョージ・スティーヴンソン」)です。カタカナ表記などはどうでもよいことですけれど、何で有名・著名、何で知られるというのは、とっかかりとしては重要でしょう。ただし、著者はむしろそうした改良・発明・開発を二人のなしたいくつもの功罪のなかに埋めこみ、社会的結合関係や公共制度のなかで浮かびあがらせようとなさっているようでした。末尾につけくわえていらっしゃる特許の取得をつうじてかれらが接近した議会のことにも、その意図があらわれているでしょう。

週明けにはODNBがあらたな装いで登場するとのことですが、人名辞典では語りきれない「人」についてをこのシリーズはとりあげてくれます。のこりも楽しみです。

ご恵送くださり、ありがとうございました。

20171125

大野誠『ワットとスティーヴンソン——産業革命の技術者』(山川出版社、2017年)。

|

« 出張講義2017 | Main | 人物本位の ヽ(。_゜)ノヘッ? »