国民審査で×をつける
10月31日に投開票のあった衆議院議員選挙ですが、結果からは「〔現政権を〕変えなくてよい」という判断が出ていたように見えました。多数派は現状に満足しているのかもしれません。つまらないことに、批判的な少数派の言説は、極端な肯定派の発言とおなじく目立ちます。この1年半あまりの感染症の世界的な流行だけでなく、前の選挙からの4年間の長さで考えて評価すれば、政権与党を是とし、現状維持を可とする態度があっても意外ではありません。
さて、おなじ日に最高裁判所の裁判官にたいする国民審査もおこなわれました。最高裁の裁判官は内閣に任命され、就任後の最初の衆議院議員選挙で審査をうけ、そこで信任されれば再審査は10年を経たのちの衆院選となります。まぁ、ふつうの最高裁判事は10年もいませんから、実質的に経験する審査は1回きりです。今回の対象は11人でした。
東京新聞の報道によりますと、以下のような判断の基準材料がありました。
- アメリカ軍基地移転にともなう辺野古サンゴ移植指示は違法か否か → 国側の勝訴、沖縄県の敗訴
- 夫婦別姓をみとめないのは合憲か違憲か → 合憲
- 2019年参院選の1票の格差は合憲か違憲か → 合憲
- 非正規労働者に退職金を支給しないのは不合理か → 不合理ではない
- 戸籍の性別変更に手術が必要であるとする規程は違憲か → 合憲
任命時期によっていずれにも関与しなかった裁判官の4名はここからは判断できません。のこりの7名についてこの材料から記事は検討していました。
くわしくは記事本体をお読みくださるのがよいですが、ひどい人はひどい。それは裁判官、検事、行政官、弁護士、学者の出身を問いません。法の番人は法的な平等や少数者の権利をないがしろにしない判事であるべきです。さらには、暴動に下線をひいて太字で強調したとおり、内閣に任命される彼らにたいして、内閣の忠犬にならぬように見張らなければなりません。選挙権の行使とともに重要な権利であり、義務であることをおぼえておきます。
もちろん、ちゃんと×をうちました。以前はすべてに×していましたけれどね。
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