すばらしきアメリカ史研究(いただきもの)

今週はアメリカ史研究からいただきものがありました。春秋に富む方が博士論文を出版したものとながらくおつきあいくださっている方々が科研の成果を発表なさったものです。先週の学会といい、今週のいただきものといい、おのれはいったい何をしているのかと焦燥感は高まるばかりですが、いやまあとりあえずは目先のことと死体解剖云々の研究文献を読むことをやっていくしかありません。後者はそれこそ卒論を書く学部生のような、素人っぽさ丸出しの仕事ぶりです。

月曜日にご本人からいただきました。第2部の「船乗りの生きる世界」が陸地を前提に展開してきた歴史研究を刷新する可能性を感じます。地域研究を陸地で区切る必然はありません。

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笠井俊和『船乗りがつなぐ大西洋世界――英領植民地ボストンの船員と貿易の社会史』(晃洋書房)。


木曜日に帰宅するととどけられていました。編者、執筆者のお二人からのいただきものです。代表制やジェンダーと公共圏の問題群は、かつてくわえてもらっていた「近代イギリスと公共圏」の研究グループとも共通する、そして、論じるにあたいするテーマであると思います。

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遠藤泰生(編)『近代アメリカの公共圏と市民――デモクラシーの政治文化史』(東京大学出版会)。

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『痛みと感情のイギリス史』合評会

いただきものとして掲載し、つたない感想を述べる前に研究合評会のお知らせをいただいてしまいました。いろいろな意味で美しい作品であるだけに、評される機会が多く早いのもむべなるかなといったところでしょうか。イギリス史研究会からいただいたメールを転載します。

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【公開セミナー】
歴史学と感情研究―『痛みと感情のイギリス史』合評会―

日時:6月17日(土)13:30~17:30
会場:東洋大学(白山)10号館1階  A105教室

森田直子氏(立正大学・近代ドイツ史)
 《ちちんぷいぷい、痛いの痛いの、飛んでいけ!》-痛みはどこへ

坂本邦暢氏(東洋大学・科学史)
  情念の存在理由―学問史からの接近

痛み・感情研究と文化史の展開、歴史学の現在についてフロアのみなさんと考えるラウンドテーブル。
『痛みと感情のイギリス史』執筆者から4名が出席します。
詳細は添付を、また最新情報は下記をご覧ください。
https://www.facebook.com/Itami2017/

主催:東洋大学井上円了記念助成 
   人間科学総合研究所プロジェクト「グローバル時代の歴史学」
問iい合わせ:東洋大学人間科学総合研究所(後藤・渡辺)
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いただきもの(大戦争がない)

職場の同僚からいただきました。この出版社の、「教養の」シリーズ(?)はよいものが多いので、ありがたいことです。しかし、いただいたときの最初の著者コメントは、「第一次世界大戦がないんだよね」でした。

何となくわかります。昨年が1世紀を経過した記念すべき年でしたし、イギリス史でも「大戦争」といえば戦死者の数が多かった第一次世界大戦を指します。でも、「ないんだよね」。

「2」を出すときには、ぜひともお忘れなく (^^)/

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杉本淑彦・竹中幸史(編)『教養のフランス近現代史』(ミネルヴァ書房、2015年)。

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いただきもの(大きな分かれ目)

先週の後半は、あいもかわらず会議と講義におわれ、くわえて学期末の試験採点や卒業研究の面談もあって、週初に立てた「ウェブログの更新するぞ」の誓いをまもることができずにすぎました。ああ、自己嫌悪、ああ、後悔先に立たず ((>_<。)。。
あたらしい週がはじまりましたので気をとりなおし、本日からあと2冊ほどのいただきもの&卑小ながらのお礼のことばをつづります。

いつかは読まなければと思いつつ、機会を逸してしまう書籍がたくさんあります。それが外国語の本であったりすると、空振りというよりも見逃しの三振を喫する可能性はさらに増すことでしょう(いや、すくなくともアタシの場合はそうです)。そうしたとき、当該の外国語と日本語に長けたかたがたによる翻訳のお仕事があると、とてつもなくありがたいです。英語を英語として読むのは重要ですけれど、それはそれで心理的な敷居が高くなりますし、何よりも翻訳もまた一つの解釈であるとすれば、それぞれが専門家でもある訳者のかたがたが産業革命や近代の世界経済の展開をどのようにとらえようとしているかを理解することは翻訳でしかできません。

なまけごころを戒めつつ、この夏に読ませていただこうと思います。ありがとうございました。

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K・ポメランツ(川北稔監訳)『大分岐――中国、ヨーロッパ、そして近代世界経済の形成』(名古屋大学出版会、2015年)。

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いただきもの(海だよね)

編者のおひと方から日本西洋史学会(富山大学)の終了後にいただきました。学会でも販売されていたことでしょう。

地域としては、北海・バルト海域、北方ヨーロッパの陸域、アイスランドをふくむ北大西洋域、あるいはビザンツ帝国など、登場する人に目をむければ、ヴァイキングやハンザ商人、羊毛布の生産者としての女、グスタフ・アードルフなど、時代はおもに中世盛期から近世までが、本書にふくまれています。これだけで、いまの季節、立ちくらみがしそうな大きさと多様ぶりです(大暑の時期までぼやぼやしていたアタシが悪い)。中世はちょっと手が出ないにしても、近世のオランダやスウェーデンについては、ちっぽけな範囲の、ちっぽけなできごとを、あーだこーだととりあげたがる傾向の強い者にも刺激的な内容ではないかと思います。

あとがきにも書かれていますが、入門書的に読めるように、注はなく、各章末に重要な参考文献のみがあげられるスタイルです。それでも、図版やグラフ、表の出典の表記をみれば、いつでも専門的な註をつけられたことがわかります。誰に向けて書くか、を意識して、あえて……、という編集方針でした。

ご恵送いただき、ありがとうございました。

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斯波照雄・玉木俊明(編)『北海・バルト海の商業世界』(悠書館、2015年)。

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いただきもの(渾身の講義)

日々の生活に余裕がありません。自分でもあきれはてるほどです。トクさんやハルさんにご恩返しをせねばならない学会には参加せず、二つの魅力的な研究会の日程が重なっていたのには両方ともでかけず、直接にお目にかかって知的な刺激をうける機会をみずから放棄しているかのような体たらくに、ただ自己嫌悪がつのります。力作をおくっていただいても読むだけで精一杯になり、お返事も、このウェブログでの紹介もままならないのは、ひとえに……(、以下は定型句 (..;)

ひとつずつでもお礼とご紹介をかねて、今週中には掲載したいと存じます。

まずは、師匠と研究室の学姉と Holloway からの友人にいただいたものです。「講義」というタイトルから気安さを想像してはいけません。おさめられた12編は historia の原義である「体系的な調査、それによる知識、その記述」を体現する「渾身の一こま」となっているからです。たとえば、複数の文書および文書館を利用しているからよい、というのでなく、その利用には研究のための必然性があることをも叙述のなかからつたえてくれています。読む側も試されるのはいかなる書物であっても共通していますが、導きながら試されるのは、けっこうしんどい経験でした。

「序」の最後に書かれた一文、「辞書は買って損しない……」もいい。

ありがとうございました。

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近藤和彦(編)『ヨーロッパ史講義』(山川出版社、2015年)。
5月25日にいただいていたものです。

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いただきもの(カルスタ……じつは、ヨーロッパ史に)

職場の同僚からいただきました。なぜか、こっそりとあらわれて(笑)。

日本語の「レトリック」がもたらす感覚とはことなる研究をなさっています。タイトルや目次を見ても、そのことはわかるでしょう。文化研究であり、合衆国、ヨーロッパ、日本を縦断/横断するような現地調査のたまものです。居ずまいを正して読ませていただきます。

ありがとうございました。

こっそりとあらわれたついでに、「西洋史学の人には……」とおっしゃっていました。うーむ。
でも、図書分類では「ヨーロッパ史」に入っています。うーむ。

20150526

藤巻光浩『アメリカに渡った「ホロコースト」――ワシントンDCのホロコースト博物館から考える』(創成社、2015年)。

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いただきもの(これも Royal Holloway がらみ)

3連チャンでいただきものの記事となりました。

こちらの著者も Royal Holloway で研修なさっていました。あとがきにもありますが、ロンドンの西部のパトニーに住んでいたのは、やはり「ピューリタン革命」を意識なさっていたのでしょう。ワインをもっておとずれたアタシを奥さまの手作りカレーでもてなしてくださったことを思いだします。

有度山一帯の西側に位置する大学におつとめの著者とは、職場の近さ以上に、じつは古い縁があります。駆けだしのころに何度か『史学雑誌』の新刊紹介を書いたですが、そのなかの一冊が浜林正夫・神武庸四郎(編)『社会的異端者の系譜——イギリス史上の人々』(三省堂、1989年)でした。学振PDであった著者は、「ピューリタン革命と千年王国論」を書いておられました。今回の著作のキーワードの二つです。「犯罪の社会史」を勉強しはじめたばかりでしたので、「社会的異端者とは魅力的なタイトルであるが……」などと評したのは、ふんぞり返りすぎてお恥ずかしいかぎりです。

旺盛な執筆活動をつづけられて、2冊目の単著を出版され、すばらしいのひと言です。何年後かの学会開催もがんばりましょう。

20150318

岩井淳『ピューリタン革命の世界史——国際関係のなかの千年王国論』(ミネルヴァ書房)。

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いただきもの(Royal Holloway)

春は友人の力作をいただくことが多いです。ありがとうございます。

この方も Royal Holloway つながりです。昨春には、Takashi Ito, London Zoo and the Victorians, 1828-1859 (Boydell and Brewer) をいただき、今春には先に登載した、坂本優一郎さんの著作がありました。とはいえ、2000年にアタシが Prof. Corfield とお目にかかったときにいらした、その意味では Holloway つながりの最初にいるのが著者です。初対面のときは、たしか、学位をとったばかりだった記憶があります。

日本に帰ってきてからも実証研究と翻訳で着実に業績をつみあげられて、節目となるような出版物は教えていただいたり、直接に送ってくださったりしてきました。今回もまた……。知的な借財の増えるばかりのアタシでも、もう少し、もう少し、あと少し、あと少し、と踏んばれそうな気がします。

ところで、まだ、「キューには全国の文書しかないから、つまんない」とおっしゃっているのかなぁ ヾ(^。^*)まぁまぁ

20150312

小西恵美『長い18世紀イギリスの都市化――成熟する地方都市キングス・リン』(日本経済評論社)

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いただきもの(百万遍、Royal Holloway,DNC)

力作をいただきました。

著者とはじめてごあいさつをかわしたのは、百万遍にあった学生研修センターでのことでした。あつまりが近社研だったか、生活史研だったかはさだかでありません。ふくよかな笑顔が印象にのこりました。

再会したのはロンドンでのこと。「あとがき」にも書かれているように、ロンドン大学で1年間の在外研修をなさって、そのおわりに研究報告がひらかれたときです。たまたまBLでペニと話す機会があり、出席するように誘われました。たしか、大橋さんといっしょに聞きにいったはずです。報告の最初に聴覚を悪くされたといわれて、心配しました。

3回目のごあいさつはDNCでした。あとから入社したアタシが、1年のあいだ、頼りっぱなしになったのはいうまでもありません。着実に仕事をこなすところにお人柄を感じました。

奥さまには静岡で授業をしていただいたので、今度はぜひとも著者をお招きしましょう。株式や債券はしらべるとおもしろいですが――その意味では法制もおなじ――、素人の学生にはむずかしく聞こえます。そこは、まぁ、にこやかに。

古い友情と多大な学恩に感謝します。ありがとうございました。

20150227

坂本優一郎『投資社会の勃興――財政金融革命の波及とイギリス』(名古屋大学出版会、2015年)。

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