雨ふりの日曜日
寒のもどり、しかも終日の雨ふりという日曜日に、こたつに籠城して読書をしています。ギルマン『肥満男子の身体表象』(法政大学出版局)やら、尾脇秀和『氏名の誕生』(ちくま新書)やら、Eric C. Rath, Oishii: The History of Sushi (Reaktion Books) とかをこの春休みにはやっつけてきました。昨年の3月が弔いと実家のかたづけにおわれたのを思えば、まぁ、よくやったほうではないでしょうか。twilog を見ると、去年の今日はかたづけの真っ最中で、『松田聖子写真集』などというものを発掘していました。
今日の読書は3月30日に訳者からいただいていた、ピエール=イヴ・ボルペール(田瀬望訳)「時宜を得て政治的・社会的に正しくある——旧体制末期フランスのフリーメイソン・国家・身分制社会」『人文学報』518-9(2022年)です。訳文がこなれていて、フランス史知らずのアタシも毛嫌いせずに論旨のなかに入っていけました。一つの事実を解釈する複数性というか、多層をなす文脈から読みとる個別の事例というか、じつにバランスのよい論文です。訳者あとがきによれば、現在では文書公開のレヴェルがすすんでおり、メイスン研究はこの論文よりもさらにいっそうの深まりを見せているとのこと、楽しみな分野といえるでしょう。
時間の余裕のあるときの読書はほんとうにためになる気がします。
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