いただきもの(「不自由な」労働者)
編者のお二人にくわえて、著者7人のなかにも長いおつきあいの方がいらっしゃる論集です。ご恵送くださり、ありがとうございました。とはいえ、短冊には「著者」としかなく、どなたが送り先として選んでくださったかはわかりません。
さっそくに読んだのは、奥田伸子さんの序章「「不自由な」労働者とは誰か」と終章「結論にかえて」です。堅実な書きぶりが著者らしいですし、まくらにマルクスにふれているのはうれしい。結論はこれからのさらなる共同研究まで待つことにします。
ついで、30年来の知己である森本真美さんの第6章「囚人労働と奴隷制——19世紀前半のイギリス刑罰論争から——」に移りました。畑違いの犯罪社会学会に寄稿したアタシの拙論をあげてくださっています。そこで自分で述べた刑罰が多元的な状態であった18世紀イギリスが、19世紀の刑罰改革を経験する経緯はそれぞれの刑罰ごとに消長をたどらなければならないことを再確認することができてありがたかったです。歴史のなかの個々人の経験と概念化された思想の展開とがまじわるところを勉強します。
労働は生産点にかかわる研究になります。まだまだいくらでも豊富な鉱脈があることを想起させてくれることでしょう。
奥田伸子・三時眞貴子(編)『近現代の「不自由な」労働者を再考する——イギリスと帝国を中心に——』(広島大学出版会、2025年)
https://www.hiroshima-u.ac.jp/press/63



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